研修医の足跡

初期研修医の実際の毎日をご紹介

令和5年8月29日 朝の勉強会

テーマ「熱性けいれん」 Y先生

 

目標

・熱性けいれんの定義・分類がわかる

・熱性けいれんの初期対応がわかる

・入院、帰宅の判断、保護者への説明ができる

 

有熱時発作の初期対応

生後6か月~60か月の有熱時発作

受診時に5分以上、持続しているか?

↓              ↓

止まっている         持続している

↓              ↓

                    遷延性の発作、髄膜刺激症状、意識障害、      ①ジアゼパム、ミタゾラム、ロラゼパム

                    大泉門膨隆など中枢神経感染症を疑う所        いずれかの静注、またはミタゾラムの

                    見があるか?                    口腔内投与

                      ↓           ↓          ②上記が困難な施設では二次医療施設へ

                      ↓           ↓           搬送をするが、その際はジアゼパム坐

                      ↓           ↓           剤を使用してもよい

                      ↓ない         ↓ある          ↓

                    全身状態の不良    頭部画像検査、        発作が止まったか?

                    脱水所見などあ    血液検査、髄液検査       ↓    ↓

                    るか?                       止まった    止まらない(その他の治療)

                 ↓ない       ↓ある                    ↓

                 ↓        血液検査                頭部画像検査、髄液検査、脳波検査の適応を考慮する

                 ↓         ↓            

             応急処置としての当日のジアゼパム坐剤の予防投与は

             ルーチンには不要

             ①医療機関、地域医療の救急体制

             ②医療機関へのアクセス

             ③家族の不安

              など、社会的な要因を加味し、その使用は総合的に判断する    

take home message

・熱性けいれんは、おもに生後6ヶ月〜5歳までの乳幼児に起こる。

・発熱に伴う発作性疾患で単純型・複雑型に分類される。

・けいれんが自然頓挫していれば、重症疾患示唆する所見がないか確認し、問

 題なければ経過観察。

・けいれん持続していれば、気道確保・酸素投与・ルート確保を行い、抗けい

 れん薬投与(ルート確保できない時は頬粘膜投与)。

・同一発熱機会の複数回のけいれん、意識障害遷延、神経学的異常など認めた

 場合は入院を考慮。

・帰宅の場合は、保護者の不安を煽らない事に注意し、病院に受診が必要な場

 合の説明を行う。