研修医の足跡

初期研修医の実際の毎日をご紹介

令和2年12月4日 朝の勉強会

担当Y先生 テーマ「痛み」

「痛み」;実際に何らかの組織損傷が起こった時、あるいは組織損傷が起こりそうな時、あるいはそのような損傷の際に表現されるような、不快な感覚体験及び情動体験 。

まずは原因検索!

WHO方式三段階除痛(鎮痛)ラダー

第一段階 ●NSAIDs・アセトアミノフェン
      副作用対策忘れずに
                (NSAIDs:腎機能障害、胃腸障害など、アセトアミノフェン:肝障害など
      オピオイドと作用機序が異なるため副作用が無い限りオピオイドと併用する 有効限界あり

第二段階 ●弱オピオイド
      コデイン・トラマドール
      オピオイドに抵抗感を持つ患者には使用しやすい

第三段階 ●強オピオイド
      モルヒネ・オキシコドン・フェンタニル・タベンタドール➡これらで症状管理困難な場合はメサドンを使用する。
      ・鎮痛薬使用基本五原則に則って
      ・副作用対策怠らず
      ・自信を持って説明し処方する

鎮痛補助薬・放射線治療・神経ブロックなどは適応があればどの段階でも開始する

Take home message
  • 痛みには個人差がある。客観的な評価のためにペインスケールを活用する。
  • 体性痛、内臓痛にはアセトアミノフェンやNSAIDs が有効。
  • NSAIDsを使用する際は消化性潰瘍、腎機能障害、心血管性障害のリスクを考慮。
  • 救急外来では、原因検索をしながら鎮痛を図る。
  • NSAIDs無効の場合は、ソセゴンなどの非麻薬性オピオイドが有効となりうる。