研修医の足跡

初期研修医の実際の毎日をご紹介

令和3年8月13日 朝の勉強会

K先生 テーマ「がん患者の意識障害 40歳代女性・食道癌 ~Oncologic emergency~」

Oncologic emergencyとは

がんの症状は基本的には緩徐に進行するが、時間・日の単位で急速に進行し、早急な対応を講じなければ不可逆的な臓器障害や生命の危機に直結する症状のこと

例)高カルシウム血症、脊髄圧迫、上大静脈症候群、肺塞栓、腫瘍崩壊症候群など

Take home message
  • 高カルシウム血症は担がん患者で頻繁に認められる病態であり、担がん患者の意識障害をみたら鑑別にあげるべきである。
  • 初期治療で最も大切なことは可能な限りの大量輸液。適切なアセスメントを行いつつ初期治療を早急に行うことが重要である。
  • 残念ながら高カルシウム血症をきたしたがんの予後はよくないが、適切な対応をすることでQOLの保たれた時間を少しでも長く保つことができる。