研修医の足跡

初期研修医の実際の毎日をご紹介

令和4年11月4日 朝の勉強会

テーマ 「呼吸困難」I先生

50歳代 男性

【現病歴】 前日16時頃に他院でCTガイド下肺生検を施行された。21時頃に夕食をとり、21時30分頃に横になった際に突然呼吸困難となった。呼吸が荒くなり、冷汗を認めたが、前かがみの姿勢をとると改善した。その後は様子を見ていたが、受診当日の昼頃に仰向けの姿勢をとったところ、昨夜と同様の症状が出現したため受診した。受診時には呼吸困難はほとんどない。➡ 何を考えますか?どうしますか?

目標

  • 呼吸困難を呈する疾患を整理する。
  • 現在の状態を判断するだけでなく、状態変化が起こる可能性を考えながら診療を行う。

●呼吸困難 頻度の高い疾患

 心不全、気管支喘息、肺炎、COPD増悪、胸水貯留、過換気症候群

●呼吸困難 緊急度の高い疾患

 「上記疾患」+急性喉頭蓋炎、気道異物、気胸、肺塞栓症、ARDS、アナフィラキシー、ACS、心タンポナーデ

take home message
  • 現在の状態だけでなく、起こり得る状態変化について考えながら検査や処置を行う必要がある。
  • CT値の活用や他臓器との比較を行うことで、画像診断を迅速に行える場合がある。