テーマ「熱中症」 G先生
症例:80歳代男性 主訴:倦怠感・嘔吐
受診前日から倦怠感があった。受診日の昼過ぎに家族が様子を見に行くと嘔吐していたため、家族に連れられて受診。室内にエアコンはなく、窓も閉まっていた。
既往歴:糖尿病、内服薬:メトホルミン
意識レベル:JCSⅠ‐1 BT39.5℃、HR130/min、BP110/50mmHg、RR25/分、SpO2 97%(RA)
「熱中症」とは限らない
日本救急医学会熱中症分類2015(JAAM2015)
新分類 | 重症度 | 症状 | 治療 | 病態からみた分類 |
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Ⅰ度 |
軽症 |
めまい 大量の発汗 欠伸、筋肉痛 筋肉の硬直(こむら返り) (意識障害を認めない) |
通常は現場で対応可能 →冷所での安静 体表冷却、経口的に水分とNaの補給
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熱ストレス 熱浮腫 熱失神 熱けいれん
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Ⅰ度の症状が徐々に改善している場合のみ、現場の応急処置と見守りでOK |
Ⅱ度 |
中等症 |
頭痛、嘔吐 倦怠感、虚脱感 集中力や判断力の低下 (JCS1以下)
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医療機関での診察が必要 →体温管理、安静 充分な水分とNaの補給 (経口摂取が困難な時には点滴にて) |
熱疲労 |
Ⅱ度の症状が出現したり、Ⅰ度に改善が見られない場合、すぐ病院へ搬送する |
Ⅲ度 |
重症 |
下記の3つのうちいずれかを含む (1)中枢神経症状(意識障害≧JCS2、小脳症状、痙攣発作) (2)肝・腎機能障害(入院経過観察、入院加療が必要な程度の肝・腎障害) (3)血液凝固異常(急性期DIC診断基準(日本救急医学会)にてDICと診断) |
入院加療(場合により集中治療)が必要→体温管理 (体表冷却に加え体内冷却、血管内冷却などを追加) 呼吸、循環管理 DIC治療
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熱射病 |
Ⅲ度か否かは救急隊員や病院到着後の診察・検査により診断される |
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