初期研修医

田部井 優真 先生 インタビュー

INTERVIEW
初期研修医
田部井 優真 先生

簡単な自己紹介をお願いします。

私は東京の多摩地域出身で、香川大学の医学部を卒業しました。大学時代の6年間を香川で過ごした後、この飯田の地に飛び込んできました。医師を志したきっかけは、高校1年生の時に膝の半月板の手術を受けたことです。今年の4月から当院で研修をしており、研修医1年目として現在は消化器内科をローテーションしています。

現在目指している診療科について教えてください。

今考えているのは小児科・救急科です。子どもが好きというのも理由の一つですが、自分が生まれた時にNICUに入っていたこともあり、将来的には重症の新生児や小児の集中治療を専門にしたいと考えています。

初期研修先に飯田市立病院を選んだ理由は?

飯田下伊那の分娩を一手に担っているため多くのお産を経験できる点と、NICUの研修ができる点、それから研修2年目の選択期間に長野県立こども病院で研修できることを魅力に感じて選びました。また、当院は救命救急センターを有しており重症の患者さんの診療を経験できること、様々な勉強会があり学びの機会が多いことにも惹かれました。最終的には見学に伺った際の先生方の優しく教育的で熱い雰囲気が決め手になり、当院を選びました。

見学に来た際に印象に残ってるエピソードはありますか?

小児科を見学した際に、見学生にも関わらず帝王切開の新生児蘇生の現場を見せていただくなど、指導医の先生にとても熱心に教えていただいたことが印象的でした。

また、救急科と総合内科を見学した際は、研修医が上級医に着いて回るのではなく、自ら患者さんと話したり診察したりしている姿を見て、実践を通して研修ができる点に魅力を感じました。

現在の1日の流れを教えてください。

現在は消化器内科をローテートしています。朝は上級医の先生と病棟回診をして、患者さんの様子を確認しながらその日の検査や治療方針を決定します。その後、午前中は病棟業務を行ったり、診療科別に分かれていない総合内科の外来を上級医の指導の下で担当しています。午後からは、他院からの紹介で受診される患者さんを外来で診察したり、内視鏡の検査や処置に入ったりしています。夕方に再度病棟回診をして、翌日以降の方針を上級医とディスカッションして1日を締めくくっています。

研修生活の感想を教えてください。

学生の頃は国家試験対策として「この症状があったらこの病気」「この病気だったらこの薬を使えば治る」という点を理解していれば良かったのですが、実際の臨床ではなかなかそうはいかないです。例えば、治療においては栄養や検査のことで他職種の方々に相談する必要がありますし、入院中に新たな問題が発生したり、退院の際には施設やご家族とのさまざまな調整が必要になることもあります。困った時には指導医の先生や先輩方にアドバイスをいただいていますが、学生時代に勉強していたことだけでは対処しきれないこともたくさんあり、大変さを痛感しています。その一方で、診療をうまく進められて患者さんの状態が良くなっていった時には、大きなやりがいや面白さを感じます。

飯田市立病院の初期研修の強みや特長を教えてください。

指導医の先生がレクチャーや勉強会をしてくださるのは、わりとどこの病院でもあることかと思いますが、当院には自分たち研修医がスライドを作って行う朝の勉強会や、「きらきら勉強会」という薬剤師さんや検査技師さんなど他職種の方々と行う勉強会があります。日常の業務でも、なかなか他の職種の方には質問しにくかったりするのですが、このような勉強会に参加して関係ができていると、気軽に相談できたりするのが良いと思います。他職種との勉強会は、研修医がアポイントメントを取り、内容について相談しながら進めています。私は2年目の先生と一緒に勉強会の担当をしていますが、研修医の要望を尊重して進めてくださるので、とてもありがたいです。

指導医の先生や研修医同士など、院内の雰囲気はどうでしょうか。感想を教えてください。

若手の専攻医の先生からベテランの専攻医の先生まで、先生方は丁寧に指導してくださるので大変ありがたいです。ローテートしていない科の先生とも当直で関わる機会がありますし、医局内に研修医スペースがある造りなので医局でも気軽に声を掛けることができて、とても風通しの良い環境かと思います。同期は自分を含めて5人と歯科の研修医が1人います。みんな大学も出身もバラバラですが、和気あいあいとやってます。

休日はどのように過ごしていますか?

飯田市の職員が参加するソフトボール大会に参加したり、中高大と続けてきた陸上の試合や練習で競技場に行ったりと身体を動かしていることが多いです。また、先輩や同期の研修医と定期的にご飯を食べに行ったりしています。

今後のキャリア・目標について教えてください。

将来的には、NICUやPICUのある病院で新生児や小児の集中治療を専門にしたいと考えています。まずは、初期研修中の各科のローテートで初期対応から診断・治療をしっかり学び、どの疾患にも対応できる基本的な考え方を身につけること、そして重症例にも動じずに対応できるようになることを目標としています。初期研修後は小児科か救急科の後期研修に進み、さらにサブスペシャリティーとして集中治療を学びたいと考えています。

これから当院で研修を考えている方々へのメッセージをお願いします。

研修医に数多くの実践の場面が用意されており、経験を通して成長していけるのが当院の特徴です。また、自分が担当していない患者さんのことでも、珍しい検査や普段はなかなか見られないような処置があると呼んでいただけることがあるので、学べることも多いと思います。

上級医の先生方や他のスタッフの方々も本当に優しく、働きやすい環境が飯田にはありますので、ぜひ国家試験を乗り越えて来ていただければと思います。当院で皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています。