研修医の足跡

初期研修医の実際の毎日をご紹介

令和4年6月10日 朝の勉強会

担当T先生 テーマ「吐血」

【症例】90歳代 女性
【主訴】黒色吐血
【現病歴】
   1,2か月に一回、右鼠径部から大腿にかけて痛くなり、カロナール頓服で軽快していた。
 前日に急に何度も嘔吐を繰り返した。翌日黒色吐血し、同時に心窩部痛も訴え近医を受診した。当院に救急搬送された。
【バイタル】
 意識清明 GCS E4V5M6
 Tem:37.0℃, BP: 147/51, PR: 78回/分、整
 RR:17回/分, SpO2:99%(RA)
 身長:148cm, 体重:33.2kg, BMI 15.1

 腹部所見 平坦 軟 圧痛なし
 鼠径に腫瘤なし

診断;閉鎖孔ヘルニア嵌頓

Take home message

①吐血、黒色便の患者を診るときはまずバイタルサインが重要。

②「頻回の嘔吐後の吐血」⇒ Mallory-Weiss症候群を疑いその原因疾患を考える

③瘦せた高齢女性における「下肢の疼痛、痺れ」⇒ “閉鎖孔ヘルニア”を鑑別に挙げる

④“閉鎖孔ヘルニア”を疑ったらまず腹部~骨盤CTを撮る