担当T先生 テーマ「吐血」
【症例】90歳代 女性
【主訴】黒色吐血
【現病歴】
1,2か月に一回、右鼠径部から大腿にかけて痛くなり、カロナール頓服で軽快していた。
前日に急に何度も嘔吐を繰り返した。翌日黒色吐血し、同時に心窩部痛も訴え近医を受診した。当院に救急搬送された。
【バイタル】
意識清明 GCS E4V5M6
Tem:37.0℃, BP: 147/51, PR: 78回/分、整
RR:17回/分, SpO2:99%(RA)
身長:148cm, 体重:33.2kg, BMI 15.1
腹部所見 平坦 軟 圧痛なし
鼠径に腫瘤なし
診断;閉鎖孔ヘルニア嵌頓 |
Take home message
①吐血、黒色便の患者を診るときはまずバイタルサインが重要。 ②「頻回の嘔吐後の吐血」⇒ Mallory-Weiss症候群を疑いその原因疾患を考える ③瘦せた高齢女性における「下肢の疼痛、痺れ」⇒ “閉鎖孔ヘルニア”を鑑別に挙げる ④“閉鎖孔ヘルニア”を疑ったらまず腹部~骨盤CTを撮る |