研修医の足跡

初期研修医の実際の毎日をご紹介

令和4年12月13日 朝の勉強会

テーマ「感染性腸炎」K先生

50歳代男性

主訴 腹痛 血便

【現病歴】

X日朝から腹痛があり、10回ほどトイレで下痢をした。最初の2~3回は普通の色の便が出ていたが、段々水様便になり、アセロラジュースのような真っ赤な色になってきた。嘔吐も5~6回した。症状が続くため同日夜間救急外来を受診した。

【既往歴】気管支炎、虫垂炎術後

【内服薬】セレコキシブ、レバミピド、ケトプロフェンテープ

 

感染性腸炎の鑑別

大腸型と小腸型の鑑別

  大腸型:血便、粘血便、強い腹痛、テネスムス、発熱

  小腸型:水様便、嘔気が伴いやすい、腹痛は軽い、血便なし

・6週以内の抗生剤の使用:CD(Clostridioides difficile)腸炎

・免疫抑制薬、ステロイド内服:サイトメガロウイルス腸炎

take home message

事前情報に引っ張られすぎない

●急性下痢のレッドフラッグを見逃さない

●感染性腸炎を疑った場合に、潜伏期と感染経路となった 食品を意識して問診を行う