研修医の足跡

初期研修医の実際の毎日をご紹介

令和2年12月8日 朝の勉強会

担当B先生 テーマ「PPI」

ある日のことでした
上級医「B先生 、この患者さんに何か胃薬だしておいて」
わたし「あ、はい。( なにかとは…?) 」
患者:50歳 急性膵炎で入院中 EGDでGERDあり

 

 

【ストレス性胃潰瘍予防 ICU入院患者study】
絶対適用(1つでも該当すれば適用)

凝固障害(血小板<50000/㎣、PT-INR>1.5、APTTが正常時の2倍以上)(B)
48時間以上の人工呼吸器管理(B)
1年以内の上部消化管潰瘍または出血(D)
Glasgow Coma Scale (GCS) ≦10(または簡単な指示に従えない)(B)
体表面積>35%の熱傷(B)
肝部分切除後(C)
多発外傷(Injury Severity Score≧16など)、移植患者周術期、肝不全、脊椎外傷に該当(D)

相対適用(2つ以上該当すれば適用)

敗血症(D)
1週間以上のICU在室(D)
6日間以上の潜血(D)
高用量コルチコステロイド治療(ヒドロコルチゾン250㎎/日相当量以上)

【PPI適応症と処方制限】
名称 適応症と制限処方日数
先発品商品名 一般名 胃潰瘍 十二指腸潰瘍 吻合部潰瘍 逆流性食道炎 非びらん性胃食道逆流症
タケプロン ランソプラゾール 56

42

56 56+維持療法 28(30㎎は適応なし)
パリエット ラペプラゾール 56 42 56 112+維持療法 28(20㎎は適応なし)
オメプラール オメプラゾール 56 42 56 56+維持療法 28(20㎎は適応なし)
ネキシウム エソメプラゾール 56 42 56 56+維持療法 28(20㎎は適応なし)
タケキャプ ボノプラザン 56 42 56+維持療法
Take home message

・PPIの適応疾患を知る

・PPIは漫然と投与しない!
  副作用と添付文書投与期間に注意
  くすりはリスク
  相互作用を考えて出そう