テーマ「コンパートメント症候群」T先生
20歳代男性
主訴:右下腿疼痛、腫脹
【現病歴】
16時頃に仕事場でプラスチック製の箱を運んでいる際に右下腿にぶつけた。直後出血あったものの少量で約2分で止血し、腫れも5×6mm程の小さな範囲であった。
Ehlers-Danlos syndromeで信大付属病院かかりつけで、デスモプレシンを18時に点鼻した。
右下腿の腫脹が増大傾向で20時には20×30mm程まで増大し、救急外来を受診した。
①マルファン症候群やEhlers-Danlos syndromeのように組織脆弱性をきたす疾患では軽微な外傷でも巨大皮下血腫形成、創傷治癒遅延、萎縮性瘢痕、コンパートメント症候群に至る。 ②骨折や外傷以外に「抗凝固薬の内服による出血、血友病などの易出血性疾患、蜂窩織炎などの溶連菌感染症、熱傷や電撃傷、蛇咬傷」でもコンパートメント症候群になり得る。 ③蒼白、脈拍消失、麻痺が出現しなくても、コンパートメント症候群になりうるので、早期治療介入の必要性を見極める必要がある。 |