研修医の足跡

初期研修医の実際の毎日をご紹介

令和5年6月23日 朝の勉強会

テーマ「急性膵炎」 S先生 

急性膵炎の診断基準

1.上腹部に急性腹痛発作と圧痛がある

2.血中または尿中に膵酵素※の上昇がある。

3.超音波、CTまたはMRIで膵に急性腹症に伴う異常所見がある

 

以上3項目中2項目以上を満たし、他の膵疾患及び急性腹症を除外したものを急性膵炎と診断する。

 

※膵酵素は膵特異性の高いもの(膵アミラーゼ、リパーゼなど)を測定することが望ましい。

 

急性膵炎が起きると炎症はどのように広がる…?

 膵の局所のみに炎症が起きると…

 ●炎症部位の膵実質の腫大

 ●周囲への炎症波及

   ・前腎筋膜、後腎筋膜の肥厚

   ・前腎傍腔への液貯留

   ・脂肪織濃度上昇

 

take home message

急性腹症の原因の一つである急性膵炎は、重症例では死亡に至ることもある。

重症度の判定に画像も適切に有効に使えるようになれば、今後、予後の予測、治療介入の必要性の判断に役に立つ。