研修医の足跡

初期研修医の実際の毎日をご紹介

令和5年5月16日 朝の勉強会

テーマ「腹痛」 G先生 

目標

・腹痛患者の緊急度の判断をする

・腹痛の鑑別疾患を整理する

・帰宅させる際の再診の目安を伝える

 

20歳代女性

主訴:胃痛、吐き気

前日の午後6時ごろから胃のあたりが痛くなり、吐き気も出てきたため午前2時に救急外来を受診

バイタル

体温:37.0℃呼吸数24回/分脈拍90回/分

血圧:120/88mmHg

 

心窩部痛を訴える患者で鑑別すべき疾患は?

 食道・胃・十二指腸・胆道系疾患が多い(レベル3)。

消化器系疾患 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、腸閉塞、大腸炎、憩室炎、虫垂炎、胆嚢炎、胆石症、胆管炎、肝膿瘍、肝炎、肝腫瘤、膵炎
血管系疾患 急性冠症候群、心筋炎、心内膜炎、心外膜炎、大動脈解離、上腸間膜動脈解離、上腸間膜動脈閉塞
尿路系疾患 腎結石症、腎盂腎炎、尿管結石、腎梗塞、副腎梗塞
その他 呼吸器疾患(肺炎、肺塞栓、膿胸)

                                        急性腹膜症診療ガイドラインより

take home message

バイタルサイン、ABCDの安定化が一番→これらに異常をきたす緊急疾患を見逃さない

腹痛の部位ごとに鑑別疾患を整理する

それぞれの疾患毎の時間経過を踏まえて再診の目安を伝える