テーマ「腹痛」Y先生
50歳代女性 主訴 腹痛
【現病歴】
X-3 日 背中と腹部に痛み(背中<腹部)
X-2日 かかりつけ医を受診→血尿と腎結石を指摘された.カロナールを処方されたが腹部違和感が継続.
X日 19:00 夕 20:00 痛みが増悪
腹痛の部位と想起される疾患 |
腹痛と背部痛を訴える患者で鑑別すべき疾患は? |
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後腹膜病変に注意すべきである。 |
ショックを伴う腹部中心部の激しい疼痛で鑑別すべき疾患は? |
急性膵炎、上腸間膜動脈閉塞症、腹腔内出血、大動脈瘤破裂、大動脈解離、消化管穿孔や腸管壊死、 |
上腸間膜動脈に関連する病変 急性腹症の1%腸間膜虚血
上腸間膜動脈閉塞症 |
a.塞栓症(血栓:心疾患由来)50% b.血栓症(動脈硬化など)25% c.解離による閉塞 d.血管炎による閉塞 |
非閉塞性腸管虚血(NOMI) | 20% |
上腸間膜動脈症候群 |
上腸間膜動脈と大動脈の間に 十二指腸が挟まれる |
take home message
●広範囲の腹痛では腸間膜虚血を鑑別に 急性腹症の1%は腸間膜虚血 ●結石と虫垂炎と遊離ガスは単純CTでも診断可能 臓器虚血, 血管病変, 膵炎等々は造影CT まるCTはちゃんと読影に出しましょう |